エコアクション21では環境経営の仕組みを作り上げていきます。
というと難しそうに聞こえますが、取得のために必要な文書類のひな形もあり中小企業でも取組みやすい制度です。
認証・登録までの期間は通常8カ月から10カ月かかりますが、その間、具体的にはどのように取組みを行っていくのでしょうか。今回は認証・登録までの流れについてご紹介します。
このページの目次
ざっくり言うとPDCAを回すことで認証・取得が出来る!
エコアクション21の認証を受けるにはざっくり言うと
「環境経営についてPDCAを実施し、その結果を環境活動レポートというレポートにまとめ、作成したレポートの審査を受ける。」
となります。
PDCAは下記のようになります。
① | PLAN=自社のエネルギー使用量、ごみ排出量などの環境負荷を把握し、削減の目標を立てる。 |
② | DO=目標達成のための取組みを行う。 |
③ | CHECK=取組の結果をまとめて評価する。 |
④ | ACTION=次の改善につなげる。 |
※①~④を何度も行うことを「PDCAサイクル」と言います。
それでは、エコアクション21取得でもっとも重要なPDCAサイクルについて詳しく見ていきましょう。
①計画の作成=PLAN
PLANの段階で行うことは主に下記の3つです。
現状の確認
エコアクション21に取り組むにあたり、自社がどの程度環境に負荷をかけているのか把握するために、自社の環境への負荷を自己チェックシートというシートを使って各種の数値を把握します。
自己チェックシートでは、
- 空調の適温化(冷房28度、暖房20度程度)を徹底しているか。
- ブラインドやカーテンの利用などにより、熱の出入りを調整しているか。
- 間引き照明を実施しているか。
- 空調機については、フィルターの定期的な清掃・交換を適切に管理しているか。
- LED照明を採用しているか。
といった具体的な項目をチェックしながら、自社の環境への取組みの現状について把握を行います。
環境経営の方針を作成する
自社の環境への負荷を把握したら、環境経営についての方針を作ります。
環境経営方針は、企業理念、事業活動と整合性があったものとします。環境への取組みについて重点的に取り組むポイントを決め、取組みを継続的に続けて改善をすることを誓約し、それを全社員に知らせます。
環境経営目標や計画を作る
環境経営を適切に実施するために、環境関連の法律や条例を把握して要求される事項を一覧表に取りまとめて環境経営目標や計画の策定を行います。
このとき大切なのは、関連する法律のまとめや環境経営方針を踏まえながら、出来る限り数値化して目標を設定することです。
具体的には以下の5つの項目について目標を設定します。
- 二酸化炭素排出量の削減
- 廃棄物排出量の削減
- 水使用量の削減
- 化学物質使用量の削減
- 自らが生産・販売・提供する製品の環境性能の向上及びサービスの改善
②計画の実施=DO
計画実施の段階では、PLANで立てた目標について組織全体で取り組むために代表者が率先して実施体制を作ります。
まず各部門の責任者や役割、権限を定めて従業員へ知らせます。そして、従業員全員の対してエコアクション21の取組みや環境経営について理解を深めるための研修・教育を実施します。
また、目標や計画を達成し環境関連の法律を確実に守るために手順書を作成します。なぜなら手順書を作成することで今までの工程を見直すことができるからです。
もしムダを発見したら手順書を改善しバージョンアップしていくことで環境経営目標や計画の達成を確実に実施していきます。
実施の段階で大切なこととは?
実施の段階で大切なことは、エコアクション21の取組みを適切に実施し、継続的に運用していくために環境経営システムの取組みに必要な文書を適切に作成・記録することです。
エコアクション21では、環境経営目標、環境経営計画、実施体制や自己チェックの結果など様々な文書を作成・管理します。エコアクション21は環境に対する情報管理体制をつくることも目的にしているので、実施した内容について文書を作成し管理を行うことが重要となります。
③④取組状況の確認=CHECKと評価・見直し=ACTION
取組みを実施したら、次は状況を確認・点検します。具体的には環境経営目標の達成状況、実施状況、法令の遵守状況、そして重要度の高い環境負荷についての状況や取組みの実施状況について確認します。
この段階で問題が発見された場合は、問題の原因を調査・分析し、再発防止を図ります。
例えば、二酸化炭素排出量について現在の達成状況を確認し、もし排出量の削減が進んでいなかった場合は、取り組みについて変更をすると決め、「省エネ診断を行い、実態を把握した上で優先順位を明確にし、効果の大きい対策から実施する」というように、評価・見直しを行います。
環境経営レポートを作成し、審査申し込み、認証・登録へ
数か月をかけてエコアクション21の取組のPDCAをまわしたら、その取組状況についてレポートを作成、社外に公表し、審査の申込をします。
審査が始まると審査人という担当者がつき、書類審査、その後現地調査を経て、エコアクション21の求める取組を実施していたことを認められると認証・登録となります。
まとめ
エコアクション21では少なくても6か月、通常だと8~10カ月をかけてPDCAを回しながら環境に対する目標について取組み、その上で審査を受けます。
重要なのは認証・登録までが大切なのではなく、あくまで認証・登録はスタートだと理解することです。
もし、エコアクション21を取得したいが、PDCAをうまく回せるか不安だという方は外部へ任せてみてはどうでしょうか。
エコアクション21に関するご相談は、名古屋市の行政書士事務所シフトアップまでお気軽にごそ相談ください。
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