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そもそも運輸安全マネジメントってなに?
運輸安全マネジメントとは、ざっくり言うと
「運送事業者が荷物輸送の安全確保の取り組みを行い、事故をなくすことを目的として会社全体でコツコツ継続するためのプログラムを作ること」
です。
Gマーク申請における「運輸安全マネジメントの取り組み状況」は、申請する年の7月1日現在までの取り組み実績が評価されます。ですので、Gマーク申請の3ヵ月前に運輸安全マネジメントを開始して、付け焼き刃のような取り組みを行っても意味がありません。
なぜなら、先にも述べたように運輸安全マネジメントは輸送の安全を確保するためにコツコツ継続して取り組むプログラムだからです。
運輸安全マネジメントについての詳しい情報は別ページに記載しておりますので、そちらで確認してください。
運輸安全マネジメントの詳しいご説明はこちら
このページでは継続的に輸送の安全性向上のための取り組みを行っているという前提で、運輸安全マネジメントの取り組み状況のチェックポイントを解説します。
運輸安全マネジメントに対する取り組み状況のチェックポイント
チェックポイントは大きく分けて5つです。そして、それぞれのチェックポイントはさらに細かく分けられおり少々複雑ですが、わかりやすく解説しておりますので是非読み進めてください。
ポイント①輸送の安全に関する基本的な方針が定められているか
この項目のチェックポイントは2つに分けられます。下記で詳細を見ていきましょう。
経営トップ主導による輸送の安全確保を最優先とした方針が定められているか
運輸安全マネジメントで最初に行うことは運送会社の経営トップ=社長が荷物の安全輸送の一番上位の責任者であると自覚することです。そのえで安全確保が最も大切な目的であるとして、目的達成のために会社が取るべき方針を決めて会社全体に宣言します。
輸送の安全に関することは、運行管理者や各ドライバーに任せているという考えでは運輸安全マネジメントというプログラムは機能しないため上記のような取組をします。そのため、経営トップ主導による輸送の安全性確保を最優先とした方針が定められているかがチェックポイントとなります。
安全確保を最優先とした方針とは何か
難しく考える必要はありません。目的は輸送の安全確保を実行した結果としての「事故削減」です。なぜ事故削減を目的とするのか、会社独自の理由を考えるだけです
例えば、
- 輸送の安全は我が社の根幹とする。
- 安全運転はプロドライバーの社会的使命とする。
- このような理由から、我が社は事故削減を目的とする安全方針を宣言する。
とすれば良いだけです。
経営トップから現場まで全社一丸となった取組がされているか
経営トップの定めた事故削減のための方針をもとに運輸安全マネジメントというプログラムを実行していくわけですが、社長一人が声高に叫んだだけではプログラムは動き出しません。
会社の経営陣、運行管理者、ドライバーなど荷物の輸送にかかわるすべての人が、なぜ事故削減の取り組みが必用なのかを理解して取り組むことが重要です。そのため、経営トップから現場まで全社一丸となった取組がされているかがチェックポイントとなります。
具体的には、
- 輸送安全の確保のために社内の組織図を見直す。
- 経営者と運転者との意見交換の場をもうける。
- 経営者・運転者を含めたヒヤリハット情報の共有
などを行っているかがチェックされます。
ポイント②輸送の安全に関する目標が定められているか
ポイント①で決めた方針をもとに、「輸送の安全確保のための目標」を設定しているかがチェックされます。
輸送の安全確保のための目標は、例えば
- 人身事故ゼロ
- 過積載、最高速度違反の撲滅
など、わが社の安全方針=目的を達成するための目標設定をします。
ポイント③輸送の安全に関する計画が作られているか
この項目のチェックポイントは2つに分けられます。下記で詳細を見ていきましょう。
輸送の安全確保のための目標を達成するための計画が定められているか
ポイント②で定めた輸送の安全確保のための目標を達成するための具体的な「手段」が定められているかがチェックされます。
例えば、人身事故ゼロ、過積載、最高速度違反の撲滅のために
- ヒヤリハット情報の報告会を開催。
- 社外から講師を招いた安全講習会の実施。
- デジタルタコグラフの年度内全車導入。
そして、これらのアクションをいつ、どこで、どのように行うかの計画を立てます。
PDCAサイクルにより更なる改善に向けた取り組みをしているか
運輸安全マネジメントは「PDCAサイクル」を繰り返し、輸送の安全性を向上させることが基本となります。そのため、PDCAサイクルを繰り返しているかどうかがチェックされます。
PDCAサイクルってなに?
PDCAサイクルとは、ざっくり言うと「計画をたて、実行し、その結果を分析し、改善する。この4段階を繰り返すこと。」で、目的を実現するための方法のひとつです。
もう少し詳しく言うと
- P(計画)目的達成のために行うことを考える。
- D(実行)考えた計画を実行に移す。
- C(チェック)実行の結果を検証する。
- A(改善)悪かった部分に見直しをかけて次の計画をたてる。
この流れを繰り返して、より良い結果が出るよう追及していくことです。
上記を運輸安全マネジメントに置き換えると
- P(計画)安全方針にもとづく目標を達成するための安全計画を考える。
- D(実行)考えた安全計画を実行に移す。
- C(チェック)安全計画実行の結果、目標の達成状況を見て良かった部分、悪かった部分を洗い出す。そして悪かった部分は原因を見つけ、事故に関する統計を取る。
- A(改善)悪かった部分に見直しをかけて次の安全計画をたてる。
この流れを繰り返すことで、さらなる輸送の安全性確保を追及します。この取り組みがしっかり行われているかが、実際に運輸安全マネジメントを実施しているかの目安となるためチェック項目となっています。
まめ知識|PDCAサイクルはなぜ「回す」と言うの?
仕事の進め方や、業務改善において、よくPDCAサイクルを回すと言われますが、PDCAを何度も繰り返し行い継続的に改善することが基本となるため「サイクルを回す」と表現されます。
チェックポイント④安全情報が公表されているか
安全情報とは、運輸安全マネジメントを実施するために作った「安全方針、目標、実施計画、目標の達成状況と事故に関する統計」のことです。
運輸安全マネジメントでは、安全情報の公表も実施項目のひとつとであるためチェック項目となっています。
安全情報の具体的な公表の仕方は
- 自社のホームぺージへの掲載
- 来客者に見えるよう営業所に掲示
などです。他人に公表することで、目的意識を高め、より目的達成の速度を早くするために、このようなことを実施します。
チェックポイント⑤従業員に対する指導・監督がされているか
この項目のチェックポイントは下記の2つです。
安全目標などが従業員全員に周知されているか
わが社の安全方針を決め、安全目標を立てても、それを誰も知らないのでは目標達成は不可能です。運輸安全マネジメントを確実に実施するために安全目標などが従業員全員に知られているかどうかがチェックされます。
運転者を含む従業員全員に知らせる方法は、こうしなければいけないということは決まっていません。ですので、自社で考えた方法で知らせればかまいません。従業員への知らせ方の方法の具体例を挙げておきますので参考にしてください。
安全目標の従業員への知らせ方
- 社内掲示板などドライバーが良く見る場所に安全目標を掲示する。
- 安全目標を作成したカードを作成して、運転者に持たせる。
- 社内報などに安全目標を記載する
などが考えられます。従業員全員に知らせ安全意識を高めることができれば方法は問いません。
輸送の安全に関する定期的な話し合いをしているか
運輸安全マネジメントを確実に行うために、定期的に輸送の安全性向上に関する話し合いの場を設けているかがチェックされます。
話し合いの場は、自社で考えたものでかまいません。
例えば
- チームごとに毎月ヒヤリハットや事故情報の共有をして何に気を付ければよいか話し合う。
- 半年ごとに全社で安全会議を行い、外部から読んだ講師とともに話し合いの場を設ける。
- 協力会社と共同の安全会議を開催して事故撲滅のための具体策を共有する。
など・・・・。
いずれの場合も大切なことが2つあります。それは
- 社長がなんらかの形でかかわる。
- 話し合いの場を設けた場合は、実施した証拠としての議事録や現場の写真を撮っておく。
ことです。
社長がかかわることで、経営者も運輸安全マネジメントに参加していることを従業員に意識付けることができます。そして、議事録や写真を撮っておくことで、いつ、どこで、何について話し合ったのかなどの記録を保存することができます。
この項目でチェックされる帳票類
- 運輸安全マネジメント計画票
など
この項目の配点
運輸安全マネジメントに対する取り組み状況の配点は「3点」です。
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