所要の健康診断を実施しその記録・保存が適正か

トラックドライバーが

  • 心疾患:心臓発作
  • 脳血管疾患:脳梗塞(のうこうそく)

などが原因で運転中に事故を起こしたら、事故速報の対象となり、営業所管轄の運輸支局による特別監査の対象となってしまいます。言い換えれば、運送事業者にとってドライバーの健康状態を管理・把握することがとても重要だということです。

そのため、健康診断の実施と記録・保存はGマーク認定の評価項目に入っています。

 

所要の健康診断を実施し記録・保存が適正かどうかの3つのチェックポイント

 

健康診断を実施し、その記録を保存しているかどうかのチェックポイントは、

  1. 健康診断の受診を実施しているか
  2. 受診結果記録を作成・保存をしているか
  3. 受診結果にもとづいた必用な措置を行っているか

の3つです。

 

以下でそれぞれのポイントを具体的に見ていきましょう。

 

ポイント1|健康診断の受診を実施しているか

健康診断の種類は主に3つに分けられます。それぞれ受診時期や役割が違いますので、ケースごとに適切な健康診断を受診させなければいけません。

それでは以下で健康診断の種類の詳細を確認しましょう。

 

雇い入れ時の健康診断

運転者を新たに雇い入れたときは、トラックへ初めて乗務させる前に健康診断を受診させ、その結果を保存しなければいけません。保存する受診結果は、コピーでも本編でも良いとされています。

受診する場所は、営業所から最寄りの診療所でも、運転者かかりつけの病院でも構いません。

 

受診をしていればチェックは通過となりますが、無料の健康診断は診断項目の数も限られており受診結果の細かいデータが提供されません。できれば有料の健康診断を受診しましょう。

 

念のためSAS(睡眠時無呼吸症候群)の検査も実施することをおすすめします。

 

我が社で雇用する前に受診していたら新たに受けなくてもいいの?

新たに雇い入れた運転者が、我が社へ入る前に健康診断を受けて3ヶ月を経過していなければ、基本的には、その受診結果を証明する書類があれば改めて受診する必用はありません。

 

定期健康診断

定期健康診断は、運転者が健康診断を受診したあと、1年経ったら行う健康診断です。定期健康診断は毎年必ず受診し、その結果を会社で保存しなければいけません。安全運行の確保を考えて「SAS検査」も受診することをおすすめします。

 

特定業務従事者の健康診断

特定業務従事者とは、主に深夜帯(午後10時~午前5時の間)に運行する運転者(深夜業務従事者といいます)が受診する健康診断です。

深夜業務従事者は少なくとも半年に1回は健康診断を受診させなければいけません。こちらについても「SAS検査」を受診することをおすすめします。

 

 

深夜業務従事者にあたるかどうかの判断基準はあるの?

トラック運送事業で深夜業務従事者に当たるかどうかの判断基準は

6ヵ月を平均して1ヶ月あたり4回以上深夜帯(午後10時~午前5時)に運行があったかどうか

です。

運転者の運行経路を変更すれば新たに当てはまる者が出るかもしれません。運行管理者が運転者の運行をしっかり把握しておくことが重要となります。

 

ポイント2|受診断結果記録を作成し保存を行っているか

受診結果記録とは、健康診断個人票または診療所などから発行された受診結果の写しのことです。

健康診断個人票は健康診断の受診日や身長、体重、視力、聴力など、健康診断の受診結果をもとに社内で定めた様式に書き写したものです。健康診断個人票の作成は時間と労力を使うため診療所などで発行された受診結果の写しを保存しても差し支えありません。

 

健康診断個人票または受診結果の写しの保存がないとGマーク認定の評価項目に加点はもらえないので注意してください。

 

ポイント3|受診結果に基づき必要な措置を行っているか

運転者に健康診断を受診させたら、安全運行確保のために会社は必ず受診結果を確認・把握しなければいけません。健康診断の受診結果の判定と、その内容は基本的に以下の4つに分かれます。

 診断結果内  容
「正常・異常所見なし」今回の健康診断では問題となる異常は見られませんでした。
「要経過観察」「要観察」しばらく様子を見ましょう。生活習慣を改善し、しばらくしたら再検査を受けましょう。
「要再検査」「要精密検査」異常が見られたので検査を受け、本当に異常と判断されたら詳しく調べてください。病気と判断されたわけではないので、再検査で「異常なし」と判断されることもあります。早期治療のためにも、必ず検査を受けましょう。
「要治療」病気またはその疑いがあるので、なるべく早く治療し、正しい治療法を守り、早期回復を心がけてください。

②~④の受診結果が出たときは、運行管理者は放置せず、再検査や受診の指導をしなくてはいけません。

③④に関しては、異常があることや病気であることの可能性が高いため再検査を促すことは簡単です。問題は②「要経過観察・要観察」です。

 

会社としては、再検査を強制的に受けさせる義務がないため、放置しがちになってしまいます。特に高血圧、コレステロール・中性脂肪、血糖・尿糖の異常な値に関しては、時として突然死や意識消失による事故を招くため上手にフォローして再検査を促すようにしてください。

 

運転者の健康診断の受診結果をもとに、適切なフォローをしていないとGマーク認定の評価項目に加点はもらえません。

 

この項目でチェックされる帳票類

  • 健康診断記録簿(健康診断個人票)
  • 運転者台帳

 

この項目の配点

所要の健康診断を実施し、その記録・保存が適正かどうかの配点は「1点」です。

 

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